運動生理学

投稿一覧

肩関節安定化機構~フォースカップル~

フォースカップルとは、関節を動かす際に、2つ以上の筋肉が連動して動き、関節を適切な運動へ促す作用のことで、肩関節においては肩甲骨の可動性と安定化に作用する 肩甲骨の上方回旋、外転・後傾の複合運動を可能にするために、僧帽筋...

肩関節周囲炎の病態~夜間痛の原因~

肩関節周囲炎とはいわゆる五十肩の事で、肩周辺の痛み可動域の低下が特徴である特に痛みの特徴として夜間痛などがみられることがあり、これらの病態によりQOLなどが低下する事が問題とされる 今回は肩関節周囲炎の理解と痛みの特徴、...

肩関節動作時における肩甲骨安定化~菱形筋・前鋸筋・僧帽筋~

肩関節の動作時には肩甲骨の安定が必須であり、その上で上肢の挙上などがスムーズに行うことが出来る 肩甲骨の安定性には菱形筋、前鋸筋、僧帽筋などの肩甲骨周囲に存在する筋の働きが重要となる 今回は肩甲骨の安定性に特に重要とされ...

肩関節動作時における回旋筋~フォースカップル~

回旋筋とは肩甲骨周囲に位置する筋肉で、上腕骨頭を関節窩に引き付け、求心性に作用することで骨頭を保持・安定させる作用をもつ 回旋筋はローテーターカフとも呼ばれ、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋の4つの筋肉からなる。肩甲骨の...

肩関節不安定性~烏口上腕靱帯と腱板疎部~

肩関節とは一般的には肩甲上腕関節の事で、この関節の周囲は靭帯や筋肉で覆われることで関節の安定性を保てており、そのバランスが悪くなることで肩関節の不安定性を呈する事となる 他には、靭帯や筋肉で覆われていない部分が一部あるこ...

肩関節の制限因子~広背筋~

肩関節の動作制限には多くの原因が存在するが、その一つに広背筋が考えられる広背筋は上腕に加えて、骨盤にも付着しているため肩関節や骨盤の動きに関わってくる 今回は広背筋による肩関節と骨盤への動作制限についてやっていく コンテ...

肩甲骨による不良肢位~肩甲上腕関節の後下方組織の拘縮~

肩甲骨と上腕骨の位置関係が変化することで肩甲骨の不良肢位をとるとされる 肩甲骨の不良肢位は肩甲上腕関節などの不安定性にもつながり、インピンジメントやその他の障害を引き起こす原因となる また、肩甲上腕関節の後方組織の拘縮が...

肩甲骨と鎖骨のつながり~胸鎖関節と肩鎖関節~

鎖骨は胸鎖関節と肩鎖関節という2つの関節を形成する事で、肩関節に大きく関わる骨である肩関節や肩甲骨の動きの評価や関節可動域の改善に鎖骨の動きが参考となることが多い関節を介して、安定性や動作において大きく関わることが分かっ...

肩甲下筋の2つの線維~肩関節前方の安定性~

肩甲下筋は回旋筋腱板の一つで、唯一肩関節の内旋に働く筋とされるそのため、筋の走行が複数にわたることで肩甲帯を安定させている肩甲下筋は肩関節前方を走行する事で肩関節前方の安定化に大きく関わっていることも特徴である 今回は肩...

肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節~上肢挙上~

一般的に知られている肩関節とは上腕骨頭と肩甲骨の関節窩がなす関節面のことで、周囲の靭帯や筋により動作や安定性を制御している 肩関節の動きは肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節という2つの関節を理解する必要があり、上肢の挙上動作など...

股関節の軸回旋~股関節前方のつまり~

股関節の前方のつまり感は多くの人が経験するが原因がはっきりとわかる人はほとんどいないと思う いくつか原因が考えられるが、主に股関節周囲の組織が硬くなることによる関節運動の障害が多い つまり感があるままで、同じような動作を...

股関節のはまりと安定性~3つの靭帯~

股関節とは、大腿骨頭と骨盤の臼蓋がなす関節の事で周囲には関節包や靭帯筋肉などの組織が存在し股関節を形成している 骨頭と臼蓋のはまりの悪さが股関節の障害を招くことが多く、股関節痛の他に腰痛などにも影響する 今回は股関節を安...

股関節における関節内圧の変化~関節包の硬さ~

関節にはそれぞれ内圧が存在し、通常陰圧に保たれており関節の可動により内圧が変化する。関節内圧の変化により関節への血流の増加などが促され関節内に存在する組織に栄養が与えられる つまり関節包やその周囲が硬くなることで、関節の...

股関節における前捻角~下腿への影響~

頚体角や前捻角は大腿骨頭や上腕骨頭の形状を表す際に用いられ、肩関節や股関節の関節面の適合具合を表す指標にもなる 成長や長期的な負荷により変化するもので、頚体角や前捻角の変化はこれらより末梢に存在する下腿や前腕の形状の変化...

縫工筋の機能解剖~神経絞扼と骨折~

縫工筋は股関節屈曲の際など動作の補助としてよく使用されるため、過剰負荷もかかりやすい筋肉である加えて、神経の通り道としても存在しているため縫工筋の障害は骨や神経などの周囲組織の障害の原因にもなる 今回は縫工筋の理解と縫工...